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10月20日付け朝日新聞夕刊2面の「窓 論説委員室から 熟年魂」より

 「英語とドイツ語が志望だった。日本語科に入らされてどんなにくやしかったか。でも日本語を通して日本の現代社会を発見するにつれて私の日本観も変わった」「日本語を勉強しなかったら一生日本を恨んで正しく理解できなかったかもしれない」
 中国の大学生や留学生、日本語教師らと日本語の交流を続けて15年。東京に住む大森廣夫、和子夫妻が最近まとめた「日本語交流のすすめ」(エール出版社刊)は、日本語を学ぶうちに「憎しみ」が「親しみ」に変わったと語る中国の学生らの作文をいくつも紹介している。和夫さんは新聞記者時代に留学生を取材し、日本嫌いを生む日本の留学生政策に強い疑問を持った。「日本に理解が足りない日本嫌いの中国の若者をひとりでも減らしたい」と定年前に会社をやめ、退職金をはたいて「国際交流研究所」をつくった。
 日本語で日本の事情を学べる季刊誌を8年間発行、中国の60の大学に贈った。また中国の教授と共作した教材を100もの大学に贈った。
 中国で日本語を学ぶ大学生と院生らの日本語作文コンクールは今年で11回を数える。
 日中間には歴史認識などの問題が残る。それぞれが相手の身になって理解する姿勢にも欠けている。大森さん夫妻は、そうした溝を少しでも埋めるべく奮闘してきた。
 その熟年魂はなお健在だが、悩みは資金難である。
 目玉の作文コンクールも、洛陽外国語学院で近く行う2次審査と表彰式が最後になりそうだという。   〈大和修〉

■著・編者紹介■
大森和夫(おおもり・かずお)
1940年生まれ。早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業後、朝日新聞社入社。大分支局、山口支局、福岡総局を経て、政治部記者、編集委員。
1989年1月、朝日新聞社退社。国際交流研究所を設立。
1996年10月、上海朝日文化商務培訓中心理事長。
遼寧師範大学名誉教授。

大森弘子(おおもり・ひろこ)
1940年生まれ。京都女子短期大学家政学部卒業後、国家公務員・生活改良普及員。
退職後、1989年1月、日本語学習情報季刊誌「日本」編集長。

国際交流研究所
136-0076 東京都江東区南砂6-7-36-709
E-mail: kh-omori@mua.biglobe.ne.jp
URL:  http://www5f.biglobe.ne.jp/~nihongo/


日本語交流のすすめ ●目 次●

1部 日本語学習教材「日本」の作成と寄贈

2部 『日本語作文コンクール』の実施

3部 そのほかの「日本語交流」活動

  1. 中国の1万2967人の「アンケート」調査
  2. 上海に日本語学校「上海朝日文化商務培訓中心」を設立
  3. 遼寧師範大学に「日本学習研究中心」を寄贈
  4. 「大森・優秀論文賞」創設